Bar「マルチチャネル」へようこそ　第2話

そこはとある街角にひっそりとあるバー「マルチチャネル」

そこはただのバーではない。

そうそこにいるマスターもお客さんもみんな「セドラー」なのだ。

登場人物

マスター

元傭兵。カメラ転売に精通している。

中国輸入のミヨ

普段は商社勤め。

Amazon刈り取りの秀雄

８０歳。ボケ防止にせどりをはじめた。

電脳引きこもりのヤス

引きこもりなのにバーには顔を出す

トレンドの哲

予約転売やトレンドに強い。アスペ。

メニュー

鯖缶

つまみだ。

ところてん

つまみだ。

単Cソーダハイ

１１０円だ。

モンスターパンチラインハイ

ピーチ味

Barで流れている音楽

New York Jazz Lounge の「 Bar Jazz Classics」

バーではこんな音楽が流れている。

第２話

マスター　「いやー　まじ閑散としてるなー。まーこんなご時世だからなあ。」

「おっといかん心の声が漏れておる。傭兵としての頃を思い出さねばな。やられてしまう。」

カランカラーン

秀雄「あいたたた」

マスター「いらっしゃい。どうしました？秀さん」

秀雄「いやー。今日も町内会のウイルスチェックが激しくてのー。体温を測ってくるから一人は巴投げ、もう一人は袈裟固めで落してきたんじゃ。腰をやられてのう」

マスター 「それは大変でしたね」

秀雄「あーとりあえずあれくれ、あれ」

マスター「ところてんですね」

マスター「そういえば秀さん最近どうですか？」

秀雄　「最近かい。まああまり外には出歩かないようにはしとるはな。あまり動かないと筋肉が衰えるのでリハビリがてら近所の林で松ぼっくりを集めてはメルカリで売っとるわい」

マスター「おー古典的な手法してますね」

秀雄「ばっかもの！　メルカリでもジモティでもなんでもええ。とにかく体をうごかすのじゃ。１円でも生み出すというような心構えがあればこそじゃぞ！　まーだるいからもうやめたけど」

マスター「笑」

マスター「０円仕入れは私も以前はやりましたが、結局作業量に対しての時給ってかんがえちゃうんですよね～」

マスター「秀雄さんの家には古い切手とか骨とう品とかあるんじゃないですか？そういうやつはヤフオク売りで結構いけますよ」

秀雄「ばっかもの！わしがそんな古めかしい趣味をしているか！わしは昭和の初期から洗濯板を使ってサーフィンを初めて、米軍の若いやつらを驚かせたものじゃ。」

秀雄 「そのころのアンティークはebayで売ったりしておる」

マスター 「なるほど。アンティークは良さそうですよね。カメラもアンティークとは言えますし、中古の究極はアンティーク販売や美術品販売になりますかねえ」

秀雄「美術品といえば、サザビーズなどもチェックしておる。最近では藤田嗣治とかは人気じゃのう」

秀雄「そういえばだれもこんのう」

カランカラーン

哲「イヤッホーーウ　お元気？」

マスター「哲さん久しぶり」

哲「いやー世の中カス！マスク爆買いしたらバンくらっちゃってさー。まーホチキスとかで闇転売してっけど」

マスター「うーんそれはどうだろう。あまりそんな事公言しないほうがいいよ。日本人ってあまり個人の意見を主張しない代わりに、集団での意見のすりあわせの能力がやたら高いからさあ。一度世論がダメって方向に行くと、その行為よりも個人攻撃に出るし、その場合の個人は人生が崩壊するくらいに追い込まれるから気を付けたほうがいいよ。特にネットは」

哲「うるせー！俺はなア売れればいいんだよ！」

秀雄「まあまあお若いの。ふぉふぉふぉ。血の気が盛んで宜しい。エイ！」

哲「何をする! あいたたた」

秀雄「袈裟固めじゃ！　おおっぴらにマスク転売などするでない！ばかもの！　おかげでアマ狩りで爆買いしたマスクが自宅に２０箱もあるではないか！　こっそりやりなさい！」

哲 「ひーすみません！　ラグビーのキッズサイズを38000円で売ったのも私です！　心は痛みませんでした！」

マスター「まあまあお二人とも。モンスターパンチハイでも飲んで落ち着いてください。」

マスター「そういえば哲さんは最近はどうしてましたか？」

哲「おーそうだなあ。まーぼちぼちかなあ。」

哲「結構予約転売もめんどくさくてねえ。都内とかならタワレコも多いし、まわれるんだけど、最近実家の近くに引っ越したでしょ。まーゲオがあるからいいんだけどさあ。やっぱトレンドかなってなるわけよ」

秀雄「予約転売どうやるんじゃ？」

哲「もー袈裟固めはかけないでくださいよ！　まだ痛いじゃないですか。　予約転売ですか。しょうがないな。ぶつぶつ」

哲「まずですね。そもそもですが、せどりや物販って在庫を抱えるじゃないですか。」

哲「あれがいかんですね。在庫は悪だと思ってます。」

哲「私も以前は新品やってましたが、在庫を抱えたやつが値下がりしまくってまー赤字ですわ。クレカの支払いに追われてねー」

哲「その頃コンサル受けて始めたのが予約転売です。予約転売は在庫を抱えることは基本ありません。」

哲「商品を選定したら、Amazonで予約商品として販売できるので、販売前から売り始めます。実店舗で予約できた数だけAmazonで販売します。」

哲「売れたらまた取り置きをする。そして少しずつ増やしていきます。」

哲「販売開始時に店舗で購入しますが、売れた分だけ買うので、クレカの支払いよりも前に入金があります。」
哲「注意点はキャンセル不可の店もあるので、そこはよく確認したほうがいいっすね。」

秀雄「おお！それはすごいのう！在庫を抱えなくてもいいわけじゃ。」

哲「そうですね。まあそのための商品の選定が難しいかなあ。初回限定とかプレるやつを狙うんですけど。まあやってればコツはつかめますよ。爆発するやつとか、１商品で何十万もうれたりとかありますし。ネックは、CDとかの販売開始日にタワレコなどに取り置きを回収しにいき、自己発で送るので、その日仕事だと無理っすね。まータワレコはだいたい前日の夕方からは回収可能ですが。」

秀雄「ほー。わしゃあ車返納してしまったしのう。孫にゲオいかせるかなあ」

哲「まーそこらへん出来るひとならいいかもしれませんねえ。最近はまートレンドと予約織り交ぜながらやってますわ」

マスター「うーん。なんかどちらもせわしなくて大変そうだねえ。私はまあカメラでもゆっくり売っているのが性にあっているみたいだよ。」

そんな風に夜はふけていく・・　

他の夜のバーの様子はこの入口から・・